コンピュータグラフィックの世界 ~ フォトモンタージュ
フォトモンタージュ (Photomontage) とは、写真を切り貼り、部分的な入れ替え、二重露光するなどにより合成して制作された作品。写真だけでなく、絵画の一部や印刷された文字の一部を含んでいる場合も、写真がある程度含まれていればフォトモンタージュと呼ばれる。また、写真は自分で撮影した作品ではなく、雑誌等からの切り抜きでも構わない。いわば、写真のコラージュであるから、フォトコラージュ(Photocollage)とも呼ばれる。「合成写真」と呼ばれることもある。「モンタージュ写真」という言葉もあるが、これは、通常、警察等により、事件の犯人捜索のために、既存の複数の写真を合成して、犯人に似せてつくられた顔写真を意味することが多い。19世紀には、すでに写真を切り貼りした作品は散見されるが、系統的に制作したという意味では、一般には、1910年代末から1920年代初頭にかけて、ドイツのベルリンにおいて、ダダに属するラウル・ハウスマンとジョン・ハートフィールドが、それぞれ独立してはじめたといわれる。戦前においては、意外性、批判性、幻想性などの観点から、主として、ダダの作家やシュルレアリスムの作家が、好んで制作した。フォトモンタージュは、意識的に切り貼りや合成であることが一目瞭然であるようにされている作品(たとえば、ハンナ・ヘッヒの作品)がある一方で、エアブラシなどを用いて、切り貼りや合成であることが一見わからないようにしてある作品(たとえば、ジョン・ハートフィールドの作品)もある。近年では、コンピュータ処理により、実際に撮影されたものとまったく区別のつかないような作品も制作されている。フォトモンタージュは、単なる美術作品である場合も多いが、社会批判・政治批判・体制批判(例えば、ハートフィールドの作品)、社会風刺、プロパガンダ(例えば、日本では第二次世界大戦中のFRONT、また、ソ連や中国などの社会主義諸国における政府主導の報道写真)、パロディ(例えば、マッド・アマノの作品など)等にも用いられ、現在においては、特に、広告用の作品などで、一般的な手法となっている。